日本の製造工業の代表的な企業が、国内工場を縮小したり、ときには閉鎖したりして、その代りに海外に工場をつくるという動きが、いま急進展中。工場を増設する場合も、日本国内ではなく、海外に作るというケースが増えています。その結果として、もしいままで日本にあった産業が日本からなくなってしまうとすれば、日本がいまもっている産業構造(どんな産業が、どんな関係で結ばれながら存在しているかということ)に穴が開き、空洞が生まれることになりかねません。産業空洞化とは、このように、これまで存在していた産業(なかでもとくに製造工業をイメージしています)が消えてしまうことを言います。ただし、ほんとになくなってしまった状態だけを言うのではなく、その方向に事態が動いている状態も、つまりその産業の生産能力の縮小傾向のことも、空洞化と言っています。ふつうは、いま説明したような使い方がされているのですが、よくよく考えてみると、このような使い方は、相当イイカゲンなものだと言わざるをえません。なぜなら、いつの時代にも、産業には栄枯盛衰があるわけで、枯れ衰えていく産業の生産能力は縮小していくわけです。
『スーパー301条』とは、ダンピングなどによる外国製品の流入や、不公正な貿易慣行をもつ相手国に対する報復措置を規定した、アメリカの包括貿易法案の“目玉”条項(1988年8月に成立)で、背景には、日本に対する市場開放圧力強化の狙いがありました。不公正な行為として、アメリカ企業に市場参入や企業進出・設立の機会を与えないこと、知的所有権を侵害することなどをあげ、(1)USTR(通商代表部)が不公正慣行を持つ国を特定し、慣行の撤廃を求めて交渉する、(2)相手国が3年以内に撤廃に応じなければ、関税引上げや輸入制限などの報復措置を実施する、などを規定しています。この条項は時限立法で、すでに失効していますが、クリントンの選挙綱領の中には新たなスーパー301条の復活・強化が明記されており、今後の動きが注目されています。
個人事業者の会計処理で「事業主貸」と「事業主借」という勘定科目(=簿記で元帳の勘定に付けられた名称)があります。この2つの勘定科目は、個人事業者が自分の生活のためのお金と、個人事業で稼いだお金のやり取りをするものと言えます。事業主貸とは、個人事業者が事業で稼いだお金を自分の生活用に引き出したときに使う勘定科目です。つまり、事業で稼いだお金を事業主に貸したということで事業主貸ということになるのです。一方、事業主借とは、事業主が自分の生活用のお金を事業資金として入れたときに使う勘定科目です。つまり、事業で使うお金を事業主から借りたということで事業主借ということになるのです。個人事業者は、これらの勘定を使って、自由に事業のお金を出し入れできます。税務上も何の規制もありません。つまり、事業で得た利益を個人が勝手に持ち出しても、その時点で会計帳簿上に「事業主貸」と記載されるだけで、その後の会計帳簿に引き継がれることはないのです。個人事業の会計は、それだけルーズでも平気なわけです。しかし、個人事業を法人化するとそうはいきません。法人のお金と個人のお金を厳密に区分する必要があるからです。